研究課題/領域番号 |
22244044
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
東 正樹 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (40273510)
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研究分担者 |
森 茂生 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (20251613)
齊藤 高志 京都大学, 化学研究所, 助教 (40378857)
水牧 仁一朗 財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門動的構造グループ, 副主幹研究員 (60360830)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
37,830千円 (直接経費: 29,100千円、間接経費: 8,730千円)
2011年度: 16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2010年度: 21,710千円 (直接経費: 16,700千円、間接経費: 5,010千円)
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キーワード | 強相関電子系 / 負の熱膨張 / 電子・電気 / 放射線・X線・粒子線 |
研究概要 |
今年度は以下の成果を得た。 1.BiNiO_3のBiを5%Laで置換したBi_<0.95>La_<0.05>NiO_3は、昇温によってBi^<5+>とNi^<2+>の間で電荷移動を起こし、高温相は(Bi,La)^<3+>Ni^<3+>O_3の酸化状態を持つ。この際、2.6%の体積収縮を生じる。また、両相が広い温度範囲にわたって共存するため、収縮はなだらかに起こる。歪みゲージを用いた線膨張係数の測定で、300Kから400Kの広い温度範囲に渡り、-82×10^<-6>/Kの線熱膨張係数を持つ負の熱膨張が起きていることを確認した。この値は最大の負の熱膨張係数を持つ既存材料、(Mn_<0.96>Fe_<0.04>(Zn_<0.5>Ge_<0.5>)Nの物の3倍以上である。 2.代表的な圧電材料であるPZTと同様の菱面体晶-正方晶の固溶体である、BiFe_<1-x>Co_xO_3の、化学溶液法で得られた薄膜試料の電子顕微鏡観察を行った。その結果、100pm/Vという、BiFeO_3の約2倍の圧電定数を持つBiFe_<0.9>Co_<0.1>O_3薄膜では、基盤近傍にc/a=1.23の巨大正方晶相が生成し、その上に基盤から格子緩和した菱面体晶相が成長していることが分かった。基盤からの拘束が解けることで圧電特性が増大している物と考えられる。 3.薄膜の研究からMPBによる圧電定数の増加が確認されているBi_<1-x>Sm_xFeO_3のバルク試料の結晶構造を調べた。x=0.1では室温でPbZrO_3型の反強誘電相であり、昇温に伴ってBiFeO_3型の強誘電相、そしてGdFeO_3型の常誘電相への逐次相転移を示すことが明らかになった。
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