研究課題/領域番号 |
22244070
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球宇宙化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高橋 嘉夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10304396)
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研究分担者 |
勝本 之晶 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (90351741)
坂口 綾 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (00526254)
谷水 雅治 独立行政法人海洋研究開発機構, 高知コア研究所, サブリーダー (20373459)
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研究期間 (年度) |
2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
26,650千円 (直接経費: 20,500千円、間接経費: 6,150千円)
2010年度: 26,650千円 (直接経費: 20,500千円、間接経費: 6,150千円)
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キーワード | 希土類元素 / セリウム / 同位体 / XAFS / 価数 / マンガン酸化物 |
研究概要 |
地球科学試料の希土類元素 (REE) パターンに現れるセリウム (Ce) 異常は、地球の過去の酸化還元状態 (paleoredox) を知り、地球大気の進化を議論する上で重要な地球化学的指標である。しかしこのCe異常が、どの程度の酸化還元状態に厳密に対応するかは不明で、続成作用の影響も受けると報告されており、現状ではCe異常を用いた地球の古環境の推定には、その定量的な意味づけという点で限界がある。本研究では、様々な酸化還元環境においてCe異常が生じる素過程を先端的なX線吸収微細構造 (XAFS) 法などにより明らかにし、Ce異常の生成過程と様々な酸化還元環境の対応を物理化学的に追及することを目的とする。またこのような素過程の研究から、Ce安定同位体比の変動が、Ce異常を生じるいくつかの化学反応を反映することが期待されるので、この点を室内実験から明らかにすることを目的とする。本年は、Ce同位体比の測定のために、希土類元素の混合溶液からCeを分離する方法を開発した。これまで、Ln resinというリン酸エステル系の分離カラムを用いて、塩酸系でCeを分離する手法を最適化した。さらに、バクテリア細胞表面に希土類元素が吸着した場合や、マンガン酸化物および水酸化鉄に希土類元素が吸着した場合に、Ce異常の程度がどうなるかやCe(IV)/Ce(III)比がどう変化するか、などを調べた。これらのことから、Ceがマンガン酸化物に吸着する際にCeの酸化が起きることや、水酸化鉄への吸着の際にもCe異常が現れる場合があることを明らかにした。しかし後者の場合、酸化剤は酸素である可能性もあり、今後の検討がさらに必要である。
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