研究課題/領域番号 |
22248035
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
五十嵐 郁男 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (80159582)
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研究分担者 |
横山 直明 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (80301802)
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研究期間 (年度) |
2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
2010年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
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キーワード | バベシア原虫 / cDNAライブラリー / 比較ゲノム解析 / 新規診断用抗原 / 予防用抗原 |
研究概要 |
バベシア病は、ダニの媒介により動物に感染し世界的規模で畜産業に甚大な被害を与え、また人にも感染可能で人獣共通感染症としても注目されている。本研究は、バベシア病の制圧のため、バベシア原虫完全長cDNAライブラリーを構築し、その遺伝子情報を解析する事により、バベシア原虫の赤血球への侵入、赤内型増殖、赤血球からの脱出に関する因子を探索し、新規の血清及び遺伝子診断法の開発を目的としている。22年度は、牛バベシアBabesia bovisのスフェリカルボディー4(BbSBP4)遺伝子の性状及びコードしている蛋白質の診断用抗原の有効性について検討を行った。その結果、BbSBP-4は世界的に広く保存されている遺伝子であり、コードする蛋白質は、赤血球内発育の後期に強く発現される事が明らかとなった。また、BbSBP-4蛋白質を用いたELISAはこれまで報告されている抗原よりも感度及び特異性が高い事がアジア・アフリカの試料を用いて明らかとなり、今後、世界的な疫学調査に有用であることが示唆された。また、人にも感染するB. microtiのBM94およびBmSA1組換え抗原を作製し、ELISA及びイムノクロマト法について検討した。その結果、これらの組換え抗原を用いたELISAやイムノクロマト法は、特異性が高く、マウス感染実験及びひと感染血清においても、感染後長期間に渡り抗体検出が可能であった。更に、バベシア原虫に対する有効薬剤候補のスクリーニングを行い、trepen nerolidol及びartesunateが牛、馬、犬及びマウスのバベシアに対して増殖抑制効果を有する事を示した。これらの研究成果は、バベシア病に対する有効診断法や治療法の実用化に向け、今後の更なる検討が必要である。
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