研究課題/領域番号 |
22330047
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小林 良彰 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (40153655)
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研究分担者 |
名取 良太 関西大学, 総合情報学部, 教授 (60330172)
河村 和徳 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (60306868)
金 宗郁 香川大学, 法学部, 准教授 (70458933)
中谷 美穂 明治学院大学, 法学部, 准教授 (60465367)
羅 一慶 中京大学, 総合政策学部, 教授 (50410626)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
2012年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2011年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2010年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 選挙公約分析 / 政策革新 / 地方自治 / 日韓比較 / 政治改革 / 政策刷新 |
研究概要 |
平成23年度、(1)選挙公約内容分析ユニットでは、日本の地方選挙における都道府県知事選拳・都道府県議会議員選挙・政令指定都市長選挙・政令指定都市議会議員選挙、韓国の地方選挙における道知事選挙・道議会議員選挙・広域市長選挙・広域市議会議員選挙の公約を収集して、16の政策領域について内容分析した。次に、(2)政治的選好/政策分析ユニットでは、平成22年度に行った日本の都道府県知事・全ての市長宛の意識調査と比較するために、日本の都道府県議会議長・全ての市議会議長、韓国の道知事・基礎自治体長・道議会議長・基礎自治体議会議長宛の意識調査を行った。また日本の都道府県・全ての市の企画部局、韓国の道・広域市を含む全ての基礎自治体の企画部局宛の意識調査を行った。さらに(3)データアーカイブユニットでは、日本の都道府県、政令市を含む全ての市町村、韓国の道・広域市を含む全ての基礎自治体の財政データを収集してデータアーカイブを構築した。 上記の各ユニットで得られたデータを接合して分析した結果、地方分権の効果は、(ア)韓国においてより肯定的に評価されていること、(イ)韓国においてより地域活性化への意識が強いこと、(ウ)日本においてより財政再建志向が強いこと、(エ)韓国において、より「代理型」の代表スタイルが施行されていること、(オ)韓国では、政治的・財政的に中央との結びつきが強く意識されていること、(カ)日韓両国とも、首長と議会の間の認識ギャップが存在するが、そのギャップは日本において、より顕著に見られること、(キ)韓国の地方選挙において公約の地域差のみが表れるのに対して、日本の地方選挙においては公約の地域差と政党差をみることができ、有権者に政策上の選択肢が提示されていることが明らかになった。これらの分析を通して、日本と韓国における自治体が有する共通点と相違点が統計的に明らかにされた意義は大きいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
第一に、日本の自治体の選挙公約の収集と内容分析について、当初の計画では2003年の統一地方選挙を対象としていたが、本研究ではその後の変化をみるために2007年の統一地方選挙も対象とした。第二に、日本の都道府県・全ての市、韓国の道・広域市を含む全ての基礎自治体の地域特性データについて、当初の計画では2005年を対象としていたが、日本については2001~2008年の8年分、韓国については2004~2009年の6年分を収集し、データアーカイブを構築した。第三に、本研究の各ユニットで得られたデータを接合する分析を当初の計画では平成24年度に行う予定であったが、すでに平成23年度において前倒しで行っている。なお、本研究を通じて得られた日本と韓国の選挙公約データや基礎自治体の財政データなどは、今後の政治過程や地方自治を研究するための貴重なリソースとして重要なものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は各ユニットの成果を接合し、本研究の成果の取りまとめを行う。また、平成24年度の米国中西部政治学会(4月12-15日、於・シカゴ)日本選挙学会(5月19-20日、於・筑波大学)、公共選択学会(6月30日-7月1日、於・専修大学)及び日本政治学会(10月6・7日、於・九州大学)で報告する(各学会の理事会決定済)。さらに、4月20日に台湾国立政治大学で行われる選挙制度に関するワークショップにおいても研究成果を報告する(決定済)。具体的には、最近の地方選挙において既存政治からの脱却を主張して立候補し、有権者が期待を託す候補者が当選後、多様な改革諸施策の中から、どの施策を講じて改革を進めたのかについて報告する。特に、改革に関わる施策を「政策的効率性に関する改革」と「政策決定プロセスのガバナンスに関する改革」に分類し、自治体ごとに改革諸施策の選択パターンが異なる要因を、平成22年度及び平成23年度に実施した日韓地方自治体の首長・議会議長への意識調査データを用いて明らかにする。また、中央地方関係や首長・議会間制度といった政治制度が、改革施策の選択に与える影響についても報告する。
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