配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2012年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2011年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2010年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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研究概要 |
本研究課題では,イノベーションの測定を通じて,イノベーション関連施策の分析を行うことを目的とした.本研究の成果は以下の通りである.まず,プロダクトイノベーションの実現が消費者余剰に与える影響を定量的に評価する上で重要な需要関数の推定に係るサーベイを,公正取引委員会の競争政策研究センターのハンドブックシリーズの1章としてまとめた.本成果では,イノベーション政策の評価を行う上で有用であることに加え,競争政策や税・補助金政策の評価を行う上でも有用な分析手法がまとめられている.次に,電気通信政策,環境政策,貿易政策といった特定の政策課題について,需要関数の推定方法を用いてそれら政策の評価を行った.これら政策の分析では,新たなサービスの導入が消費者余剰に与えた影響,さらに政策導入が新技術の普及に与える影響を評価している.(北野,2012)これらの分析のうち,電気通信政策に関する北野・斎藤・大橋(2010)は,携帯電話市場における規制改革に伴うプロダクトイノベーション,新サービスの導入が消費者余剰に与えた影響を評価したものである.この研究は,学術誌に発表されていることに加え,電気通信普及財団によるテレコム社会科学賞奨励賞を受賞した.その他政策介入とイノベーションの普及に関連する研究として,一時的な保護貿易政策が技術導入に与えた影響の分析,また環境優良車に対する補助金政策であるいわゆるエコカー補助金が高燃費の自動車の普及に与えた影響を定量的に分析した.これら成果のいくつかは学術誌に発表するとともに,ワーキングペーパーとしてまとめ,査読付学術誌に現在レビューを受けている.また,これら成果の周知とさらなる論文の改善のため.国内外の学会,及びセミナーでの報告を行った.特に,産業組織論分野の国際学会として定評のあるEuropean Association for Research in Industrial Economics (EARIE)では,本課題の研究期間である3年間すべてで報告を行った.
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