研究課題
基盤研究(B)
IceCube実験によって、超高エネルギーニュートリノ2事象を観測することに成功した。衝突反応によって放射したエネルギーはそれぞれ1.0±0.15and1.1±0.17PeVであり、観測史上最高のエネルギーを持つニュートリノである。この2事象は検出器アレイ内でニュートリノが弱荷電相互作用(この場合は電子ニュートリノ)または弱中性相互作用(この名合いは全てのニュートリノフレーバーに可能性がある)によって生成された粒子シャワー現象として矛盾が無い。これらのニュートリノは、IceCube実験の2010-2012年の615.9日間の観測データによる超高エネルギー宇宙ニュートリノ探索によって発見された。この探索における大気雑音事象の期待数は0.082±0.004(stat)+0.041-0.057(sys)であり、2事象がこの雑音で説明できる確率は系統的不定性を考慮して2.8×10^<-3>(2.8σ)である。この結果はPeVという高エネルギー領域で宇宙ニュートリノが存在することを示唆する初めての観測的証拠である。100PeV以上のエネルギー領域で得られたニュートリノ流量の上限値から、超高エネルギー宇宙線の赤方偏移空間における分布に制限が加えられた。この制限は、幾つかの超高エネルギー宇宙線放射天体候補が分布するパラメータースペースに達しており、ニュートリノ観測から初めて宇宙線放射天体に意味のある制限を加えた結果である。以前の結果と比べて大幅に向上した本結果は、検出器埋設容量が増えたことと、データの振る舞いを予測するシミュレーションの精度が向上したことによるものである。
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すべて 雑誌論文 (19件) (うち査読あり 19件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 3件) 備考 (4件)
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