研究課題/領域番号 |
22340094
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
内田 慎一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10114399)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2012年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2011年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2010年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | 新高温超伝導体 / 酸素ドーピング / 頂点酸素原子配列 / 非希土類元素化合物 / Sr214単結晶 / 局所構造とTc / Tc=98.5K / 新高温超電導体 / Tc=98K / 頂点酸素原子整列 |
研究概要 |
銅酸化物高温超伝導体の一つSr2CuO3+〓(Sr2CuO4-yは、最初に発見されたLa系と同じK2NiF4構造をもち、単位胞にCuO2面を1枚含む。Cuを囲む酸素八面体の頂点に位置する酸素原子そのものがドーパントであり、この酸素を規則整列させることで超伝導転移温度TcはLa系の倍以上、一層系としては最高の液体窒素温度77Kを20Kも上回わる98.5Kにも達することを本研究代表者を含むグループが実証した。この物質は、超伝導材料として、他の銅酸化物高温超伝導体にない優位性をもつ;(1)Sr,Cu,Oの3種類の元素だけで成り立つ、(2)これら3種類の元素には毒性がなく、また希土類や希少金属元素を必要としない、(3)ドーパント原子を整列させることが容易なため、格子乱れの無い超伝導体となる。しかしながら、純粋な単一相の試料作製が難しく、その物性研究が殆ど進んでいない。本研究は、この超伝導体の多結晶試料を高温・高圧下で合成し、さらに、1)塩素を含まない酸化剤の使用、2)ドーパント酸素の整列を促す低温アニール、3)Srの一部をBaに置換することによるTcの向上と最高Tcをもつ相の体積分率の増大を目標に実験を行った。その結果、Tcは100Kに迫るまで向上した。Tcが90Kを超える超伝導相の分率も向上したものの、単相試料の合成までには至らなかった。そこで、分率が確実に100%で同時に様々な物性測定が可能になるSr2CuO3+〓の単結晶成長の試みを開始した。CuO一次元鎖の物質Sr2CuO3の単結晶をフローティングゾーンで合成し、それを高圧・高温・高酸化雰囲気下でK2NiF4構造に変換することに成功した。Tcは未だ40Kで、更に改良の余地があるものの、電気抵抗率等物性測定が初めて可能になった。
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