研究課題
基盤研究(B)
容易に電子スピン共鳴 (ESR) 吸収飽和現象を起こすN@C60 を用いて化学交換飽和移動法(ESR-CEST法)を実現すべく、N@C60とγ-cyclodextrin(γ-CD)包摂錯体を合成し、N@C60の水溶化に成功した。ほぼ完全に疎水性であるN@C60のESRスペクトルを水溶液中で観測することに成功し、濃度変化・温度変化測定により電子スピン副準位の緩和時間と微細構造分裂幅を決定した。また、N@C60・γ-CD包摂体の単結晶X-線構造解析にも成功し、得られたN@C60・γ-CD包摂体の正確な分子構造をもとに電子スピン・プロトン核スピン間の磁気的相互作用の大きさを見積もることができた。その結果、N@C60・γ-CD包摂体はESR・化学交換飽和移動分光法を実現させる良い磁気プローブであるを確認した。
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