研究分担者 |
小野 輝男 京都大学, 化学研究所, 教授 (90296749)
草部 浩一 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (10262164)
中村 暢伴 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (50452404)
垂水 竜一 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (30362643)
平尾 雅彦 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (80112027)
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配分額 *注記 |
14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2011年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2010年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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研究概要 |
2台の波長可変フェムト秒パルスレーザーを同期して,それぞれをポンプ光とプローブ光に使用した光学系を構築した.一方のレーザーの出力はコーナーリフレクターにより光路調整し,その後音響光学結晶によって強度変調を行い,対物レンズにより試料に集光して,ナノ構造物の共振を励起する(ポンプ光).他方のレーザーの出力光は非線形光学結晶により倍波とした後,対物レンズにより試料に集光する(プローブ光).薄膜で反射したプローブ光を光検出器に取り込み,ロックインアンプによって強度と位相の変化を抽出する.これにより,ナノ薄膜のスティッフネス(弾性定数)と減衰係数(内部摩擦)を正確に測定する手法を構築した.特に,アモルファス薄膜の減衰係数を定量的に測定する手法は他に例が無く,今回初めて確立した.これは,シリコン基板の光の屈折率が,400nm付近で大きく変化することに注目した手法であり,減衰係数の小さいアモルファス薄膜の音響減衰測定法としては,現在のところ,他のいかなる手法よりも測定精度が高い.また,基板上のナノワイヤの共振現象を観測することにも成功した.得られた波形から2種類の共振現象を特定することができた.一つは,ナノワイヤを音源とする表面波の共振であり,もう一つは,ナノワイヤ自身の共振である.後者からナノワイヤの弾性を評価した.そして,ナノワイヤのエレクトロマイグレーションに伴う弾性定数の低下現象を観測することに成功した
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