配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2011年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2010年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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研究概要 |
本研究では,新たに開発する非接触型MEMS温度センサにより熱的境界条件を明確に規定した上で,近接場を用いた壁近傍のLIFによって,壁面の活性度,壁温を変化させながら,ラジカル分布,火炎温度などの計測を行って,壁面の化学的影響を解明することを目的とした。また,MEMS技術を用いて製作される薄膜コーティングにより表面反応の制御を試み,マイクロスケールにおける安定かつ高燃焼密度の気相燃焼実現に向けて具体的な指針を与えることを目指した. (1)LIFによる壁近傍のOH計測 加熱壁面ごく近傍のOH濃度を計測するため,紫外線顕微鏡を用いたOH-LIF計測システムの構築を行った.また,熱的境界条件を保ったまま,固体表面のみに白金,石英,原子層積層法で形成したアルミナの3つの物質を用いた場合の,OHラジカル分布を計測した.低温では熱的消炎効果が支配的であるのに対し,高温では化学的消炎効果が顕在化し,石英においてもOHが破壊されていることが確認されるとともに,アルミナ層がほぼ不活性と考えられることを明らかにした.また,数値シミュレーションを用いた検討から,化学的消炎効果は壁面ごく近傍(0.5mm以下)にのみ顕在化するため,流路幅数mm以上の場合にはバルク特性はほとんど変化しないことを示した. (2)アーク放電を用いたラジカル表面反応計測システムの構築 種々の材料の加熱壁面近傍で,OHラジカルをアーク放電により再現性良く発生させ,時空間的なOHラジカル濃度分布をLIFにより計測し,壁面の活性度とOHラジカルの減衰時定数の相関について検討を行って,壁面の化学的消炎効果を検討するための,計測システムの構築を行った。
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