研究課題
基盤研究(B)
骨髄巨核球は、巨核球と赤芽球の共通前駆細胞(MEP)に由来するとする説の他、諸説あるものの定説はない。GP1b(CD42)-V-IX複合体は、成熟骨髄巨核球と血小板で発現されていることはよく知られているが、造血前駆細胞における発現は知られてこなかった。報告者らの今回の研究ではまず、マウス骨髄でcommon myeloid progenitor(CMP)として同定される細胞(Lin-c-Kit+Sca1-CD34+CD16/32low)の3-6%において、GP1b(CD42)-V-IX複合体構成要素であるGP1bα(CD42b)が発現されていることを見いだした。このGP1bα陽性細胞は、培養すると成熟巨核球にのみ分化する能力を有していることを発見し、GP1bα+MegPと命名した。GP1bα+MegPは、MEPには由来せず、純度の高い造血幹細胞分画として知られるLin-c-Kit+Sca1+CD150+細胞に由来することが明らかになった。これらの発見は、造血幹細胞に直接由来する、巨核球分化の新たな経路の存在を示唆するものである。一方、GP1bα+MegPは、Notchシグナル下流におけるもっとも重要な転写因子であるHes1を強く発現していることを見いだした。また、ヒト巨核球系細胞株であるUT7-TPOの成熟巨核球への分化が、Hes1のドミナント・ネガティブ変異体を導入することによって抑制された。現在、Notchシグナルの中核分子であるRBP-JKノックアウトマウスなどを用いて、新たに見いだした巨核球分化経路におけるNotchシグナルの役割について解析を行なっている。
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