研究課題/領域番号 |
22390303
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
岡本 圭生 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (50303780)
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研究分担者 |
茶野 徳宏 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40346028)
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連携研究者 |
礒野 高敬 滋賀医科大学, 実験実習支援センター, 准教授 (20176259)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2012年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2011年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2010年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 腫瘍学 / 精巣腫瘍のエピジェネティックス / 精巣腫瘍 / メチレーション / DNMT3L / 幹細胞遺伝子 / 化学療法 / 腫瘍マーカー / 胎児性癌 / SOX2 / エピジェネティックス / メチルトランスフェラーゼ |
研究概要 |
われわれは精巣腫瘍のもつ生物学的特性としてステムネス(幹細胞性)とエピジェネティックスに着目し、研究を進めてきた。シスプラチンを用いた化学療法によりほとんどの転移性精巣腫瘍において完治が得られるようになってきた。しかしながら依然としてあらゆる治療に抵抗性を示す精巣腫瘍症例が非セミノーマの中に存在する。胎児性癌成分は非セミノーマ成分の幹細胞的役割を担っており、胎児性癌が分化をすることにより化学療法抵抗性を示す可能性が示唆される。胎児性癌はステージが低くても転移、再発率の高く、精巣腫瘍の中で悪性度が高い組織型であるため、胎児性癌の制御は精巣腫瘍の臨床において重要な課題である。われわれは、本研究課題を通じて、DNMT3L 蛋白がヒト胎児性癌の増殖に必須の分子であること、また胎児性癌に特異的な新規マーカーとなりうることを見出した (Clin Cancer Res 2010)。 さらに、ヒト精巣腫瘍における幹細胞遺伝子の果たす役割を検討するために胎児性癌に対するSOX2の抑制効果についても検討した。その結果、胎児性癌に発現する幹細胞遺伝子 SOX2 をターゲットとした非セミノーマ精巣腫瘍の治療モデルを In vitro, In vivo で示した (J Urol 2012)。また精巣腫瘍のゲノム全体のプロフィールを探索するためにゲノムの大半を占める繰り返し DNA 配列のエピジェネティックスに関する包括的解析についても検討した。その結果 精巣腫瘍には体細胞由来の癌とはことなるゲノムの脱メチル化維持機構が存在することが示唆された (Mol Carcinogenesis 2012)。 これらの知見をもとに、精巣腫瘍の化学療法感受性や多分化能といった興味深い生物学的特性を始原生殖細胞や胚性幹細胞にみられる弛緩したクロマチンという観点からの総説を記した (Int J Urol 2012)。
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