配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2012年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2011年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2010年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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研究概要 |
沿岸性海底熱水活動(SWH)は,その周辺海域に酸性化と鉄供給をもたらし,生物基礎生産の観点からは相反する効果が予想される。本研究では,最近,台湾北東沿岸域で見いだされた SWH 域を,生物基礎生産への影響の検証に絶好の実験フィールドとしてSWH が環境に及ぼす影響を評価することを目的とした。熱水や熱水噴出口周辺海水の地球化学特性により,高温(80-110°C)かつ強酸性(pH, 2.1-3.5)の SWH はマントル起源の火山ガス噴出に伴い,1km 四方の海洋表層水に影響を及ぼしている;また,通常海水に比べ,有光層にSWH から高濃度の Si と P,特に Mn と Fe が供給され,同緯度海域に比べ数十~数百倍高いクロロフィル分布をもたらすことを明らかにした。SWH は天然の「海洋酸性化」と「栄養塩・微量元素供給」として,複合的に周辺海域の一次生産に大きく寄与していることが自然界において初めて発見された。また,薩摩硫黄島など日本周辺比較海域や台湾東沖における広域海洋観測により,SWH に伴う物質供給と周辺環境への影響について実態解明が進んだ。
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