研究概要 |
一般にマルチロボットは各ロボットが異なる観測視点を持つため,同一観測対象においても背景の差異によって表象の有効性は大きく変化する.本研究では,マルチロボットによる分散共有認知のフレームワークとして階層的不変項モデルを提案した.具体例として移動体の分散協調トラッキングを扱い,認識対象とその背景パタンにより,色,形状の特徴量の曖昧度を評価し,適切な表象選択を動的に行う手法を提案した.さらに,環境からランドマークを能動的に抽出し表象トライアングルを形成することで,観測対象の幾何的配置関係を動的に認識させる手法を提案した.これらをマルチロボットによる移動対象物のトラッキンングに適用し,環境内の明度変化やオクルージョンが生じる場面においてもロバストな物体追跡と認知共有化が実現できることを実験により示した.
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