研究課題/領域番号 |
22500347
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
内田 洋子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60133633)
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連携研究者 |
五味 不二也 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40205620)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2012年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2011年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2010年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | β-アミロイド / 神経新生 |
研究概要 |
「β-アミロイドが胎児性蛋白を誘導するだけではなく、神経幹/前駆細胞の増殖や新生ニューロンの生存を阻害するため、ニューロン新生が抑制される」という作業仮説を証明するのが本研究の目的である。そこで、網羅的遺伝子解析から得られた、Ass1-42によって誘導され、神経幹/前駆細胞や幼若ニューロンで発現する遺伝子(7種類)から、新生ニューロンの生存を阻害する遺伝子の同定を試みた。その結果、ただ一種類(Cas/HEF1-associated signal transducer, Chat)が幼若ニューロンの生存を阻害することがわかった。そこで、Chat (Sh2d3c)に的を絞り、Chatがニューロンの生存を阻害する機序を解析し、以下の点が明らかとなった。 (1)Chatの過剰発現がニューロンの生存を阻害するためには、ChatのC-末端が必要であった。 (2)ChatのC-末端にはCAS family protein結合部位が存在する。しかし、CAS family protein(神経系に発現するp130CasとNEDD9)とChatを共発現させても、ニューロンの生存は阻害されなかった。また、CASと結合しないmutant construct を過剰発現させてもニューロンの生存は阻害された。これらのことから、幼若ニューロンの生存阻害には、Chat のC-末端でCas結合部位以外の部位に何らかの分子(未知)の結合が必要であることが示唆された。そこで、 (3)Chat のC-末端(Chat-C)に結合し、Chatとの共発現が幼若ニューロンの生存を阻害する分子の同定を試みた。GST-Chat-C fusion proteinを調整し、大脳ニューロン抽出液を使って、pull-down assayし、結合した蛋白をnanoLC-MS/MSで解析した。しかし、GST Chat-C fusion proteinへのpull-down assayで特異的に出現するバンド中から、十分量の蛋白は検出できなかった。これらのことから、Chat-C結合蛋白がnanoLC-MS/MSで同定しにくい性質であることが示唆されたが、Chat-Cのhomopolymer形成がニューロン生存阻害に関与している可能性も捨てきれないと考えた。
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