研究課題
基盤研究(C)
チミジンホスホリラーゼ(TP)は、血小板由来血管内皮細胞(PD-ECGF)と同一蛋白質である。TP は、血管新生活性を有し、腫瘍の進展に重要な役割を担っていることを多くの報告が示しているが、TP の機能の分子機序についてはよく分かってない。我々は、TP機能の分子機構について調べた。TP は、NADPH oxidase の基質である NADPH の細胞内レベルを高めることで ROS の産生を増加させた。その ROS は NF・B を活性化し、活性化した NF・BがIL-8のプロモーター活性を高め IL-8 発現を亢進した。我々はさらに、チミジン由来の代謝産物が解糖経路とペントースリン酸経路に入ることを初めて明らかにした。ATP と NADPH が、その結果として TP 発現細胞で増加した。これらの知見は、チミジンの異化が、栄養状態が十分でない腫瘍の微小環境下で、癌細胞の生存と増殖に重要な役割を演じていることを示唆している。
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