研究課題/領域番号 |
22510203
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ゲノム生物学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
中山 建男 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 名誉教授 (60031712)
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研究分担者 |
菊池 秀彦 宮崎大学, 医学部, 助教 (10301384)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2011年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2010年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | アポトーシス / ヒストンアセチルトランスフェラーゼ / リンパ球特異的転写因子 / DT40 / 遺伝子破壊法 / B細胞 / スーパーオキシド産生系 / プロテインキナーゼ / 活性酸素 / ジーンノックアウト法 / PI3キナーゼ/Akt経路 / GCN5 / チロシンキナーゼ |
研究概要 |
ニワトリB細胞系株細胞DT40を用い、遺伝子破壊法を駆使してヒストンアセチルトランスフェラーゼGCN5およびリンパ球特異的転写因子(Helios、Aiolos、Pax5およびEBF1など)の遺伝子欠損変異株を作成し、それらの表現型を解析した。その結果、(1)GCN5がgp91-phox遺伝子の発現制御を介して白血球スーパーオキシド産生系の活性を制御していること、(2)GCN5がSykおよびBtk遺伝子の発現制御によってPI3K/Akt経路を調節し、細胞に酸化ストレス抵抗性を付与していること、(3)HeliosによるプロテインキナーゼC群の遺伝子発現制御を通じてBCR仲介アポトーシスの亢進やスーパーオキシド産生活性の抑制に寄与していること、を明らかにし学術雑誌に投稿・発表した(研究発表の欄参照)。(1)のGCN5による白血球スーパーオキシド産生系活性制御の研究では、GCN5によってgp91-phox遺伝子プロモーター領域近傍のヒストンアセチル化が亢進し、それに伴って転写因子PU.1の当該領域への結合が促進されることが明らかとなり、本研究課題での目標の一つである「ヒストンアセチル化酵素(GCN5)とリンパ球特異的転写因子(PU.1)の共同作業による細胞機能制御機構」の一端を解明できたという点で非常に意義深いものとなった。(2)に関しては、B細胞の酸化ストレス耐性機構のkey enzymeであるSykおよびBtkの遺伝子発現制御がGCN5によって為されていることを初めて明らかにし、GCN5の有する多彩な生理機能の解明に大いに貢献するものであった。(3)については、これまで全くその生理的意義が不明であった未熟B細胞におけるHeliosの機能を解明することに成功し、HeliosがB細胞でも重要な役割を担っていることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GCN5やHeliosに関して、immature B細胞における新規の生理機能を解明し、その成果を3報の学術論文として公表できた。
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今後の研究の推進方策 |
GCN5遺伝子欠損変異株は様々なphenotypeを示しており、この解析を通じてGCN5の新しい生理機能を明らかにする予定である。また、リンパ球特異的転写因子のうち、EBF1欠損株で他のリンパ球特異的転写因子の発現が顕著に変化しており、目下、解析中である。Pax5欠損株で得られたデータと併せて、B細胞分化(特に形質細胞への分化)機構の一端を解明できるものと期待している。 さらに、GCN5とリンパ球特異的転写因子の相互作用についても解析を進めていく予定である。
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