研究概要 |
本研究は、18世紀後半から19世紀前半の海外覇権への道を進む中で様々な「他文化」を国の内外に抱え込むことになったイギリスが直面した諸問題を、グローバリゼーションの初期の形態が孕んだ問題と捉え、ポスト・コロニアリズムの現代との相関性を考察した。植民地拡大に伴って、商品化、商業化される「自然」と「文化」の現実とせめぎあいの過程を、イギリス・ロマン主義の詩人(Coleridge, Shelley, Keats)、画家(Earle, Lewin)の焦点をあてて、作品化/商品化された未知の非ヨーロッパ的空間とヨーロッパ人との関係が現代のポストコロニアルな状況を先取りしていることを具体的に示した。
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