研究概要 |
中国語の関係節と数詞を含む名詞句において、関係節が数詞に先行する場合は関係節が名詞句削除を認可するが、後続する場合は関係節が名詞句削除を認可できない母語話者がいる事実から、中国語の関係節がKayne (1994)の主張する構造ならびにNPに付加される2種類の構造を許すことを明らかにした。また、日本語の関係節は名詞句削除を認可することはなく、NPに付加される構造のみを許すことを明らかにした。Takahashi (2011)は、日本語の関係節も名詞句削除を認可すると主張しているが、本課題では、名詞句削除を認可しているように見える場合は、代名詞の「の」が関係節を伴っていると考えるべき証拠を挙げた。本課題では、主要部後置型言語が深層構造のおいて一律の構造を持つわけではないと主張するSaito, Lin, and Murasugi (2008)を支持した結果が得られた。
|