研究概要 |
本研究では,EU,特に,オランダ,ドイツ,オーストリアおよび英国における環境税, 税制改革の動向を調査し, 現状と課題を分析した。 環境税の弱点は,効果と負担が曖昧であり, 優遇措置など税のインセンティブによって不公平感を生じさせることである。さらに, 環境目標の達成によって税収がゼロになるという問題もある。 これらの問題を克服するために, 二重の配当論や税制改革論が主張されるが, 環境税導入のための安易な口実に利用される危険もある。環境政策を進めるためには、インセンティブによる環境税制だけではなく, 規制,排出量取引を状況によって適切に組み合わせたハイブリッド方式が望ましい選択である。
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