研究課題/領域番号 |
22530581
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 山形大学 (2011-2012) 映画専門大学院大学 (2010) |
研究代表者 |
貞包 英之 山形大学, 基盤教育院, 准教授 (20509666)
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研究分担者 |
野上 元 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (50350187)
元森 絵里子 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (60549137)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2012年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2011年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2010年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 歴史社会学 / 死の社会学 / 自殺論 / 自殺対策 / 過労自殺 / 自殺 / 自殺予防 / 生命保険 / 心中死 |
研究概要 |
本研究は歴史社会学の可能性を再検討することを目的として、具体的には日本における自殺の展開を歴史的に分析した。自殺の理論は社会学の重要な理論的準拠点とされてきたが、自殺がはらむ歴史的位相については充分に考えられてこなかった。それに対し本研究は、自殺の社会学的分析に歴史的パースペクティブを補うことで、自殺の社会学的分析が歴史社会学にはたすことのできる寄与をさぐる。 それによって、1)前近代の自殺が意志の病として特権化されていなかったこと、2)しかし20世紀以降の社会では個人の意志の在不在を問う社会システムが自殺を深く規定してきたことがあきらかにされた。近世においては、意志の病としての自殺が問題化された形跡は少ない。それに対し近代で自殺は、人の意志が強く介在する現象として意味論的に再編され、その結果、解決すべき医学的病や社会的病理として社会システムのなかに組み込まれる。具体的には、近代日本においては、(1)自殺を治癒可能な病とみなす「医療化」、(2)自殺を経済システムと結び付ける「貨幣化」、さらに、(3)自殺を解決すべき政治資源とする「政治化」が進むのであり、それが現代における自殺の意味論と自殺予防対策の枠組みをいまだ規定しているのである。
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