研究概要 |
視空間認知能力に障害がある児童は,全般的な注意能力および言語性短期記憶に問題はないが,視空間性(外部入力される視空間情報あるいは心的に生成した視覚イメージの)短期記憶に困難さを示すことが報告されている。しかしながら,この障害の原因は検討されていない。本研究では,学習障害児が示す困難さが情報処理の 「記銘」それとも「保持容量」に起因するのかを検討した。研究の結果から,記憶すべき視空間情報を呈示すると視空間認知能力に障害がある児童は, 健常児と異なり呈示された視対象を「1つの視覚パターン」としてイメージ化することに困難さがあることがわかった。すなわち,"記銘処理"に起因することが確認されたことになる。
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