研究概要 |
1次元n×n 保存則方程式系の初期値問題の可解性については,A.Bressan 等による波面追跡法を用いた一連の研究があるが,その証明手段はかなり複雑である。本研究では,1次元2×2 保存則方程式系の場合にリーマン問題(初期値が階段関数)についてショック曲線の幾何学的構造の解明を行った。そして,その構造理論を用いて一般の初期値問題を扱い,波面追跡法における議論の簡略化に成功した。また,非線形等方的退化放物型方程式に対する初期値・境界値問題を考察し,エントロピー解の比較定理と存在定理を得た。
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