研究課題
基盤研究(C)
素粒子の標準模型は非常に成功を収めた理論であるが、そこで存在が予言されているヒッグス粒子はLHC実験以前では発見されていなかったことから、標準模型以外の理論的可能性がいろいろ指摘されていた。この研究では、その一つの可能性である、超対称性理論を考え、100 GeV程の軽いヒッグス粒子が存在する可能性(軽いヒッグスシナリオ)を研究した。このような軽いヒッグスシナリオはLEP実験などの直接検出実験だけでなく、B物理のような間接的にこのような軽いヒッグス粒子が寄与する過程からも制限を受けるので、そのような制限を解析した。さらに、LHC実験が始まり、標準模型ヒッグス粒子のような粒子が発見されたことから、一般に標準模型を超えた理論に強い制限を与えることになる。超対称性理論のこの軽いヒッグス粒子のシナリオも、LHC実験から強く制限されることが分かった。 現在のLHC実験の結果を見ると、ヒッグス粒子以外には新たな粒子の存在の兆候は見えない。しかし、ミュー粒子の異常磁気能率の実験値は、標準模型の予言値と3σ程度食い違っていることが指摘されている。そのことから、このミュー粒子の異常磁気能率の標準模型との食い違いを説明する新物理を考え、現在までの実験と無矛盾な理論の可能性を指摘し、LHC実験での検証の可能性を指摘した。
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Phys.Rev.
巻: D86 ページ: 95025-95025
Physical Review D
巻: 86 号: 9 ページ: 95025-95025
10.1103/physrevd.86.095025