研究概要 |
電子相関の強い物質を定量的に記述するために我々が発展させてきた理論に現実的なハミルトニアンと非局所効果を取り入れる理論的改良を行った.T=0では,これまでの非対角有効場を用いた非局所自己無撞着射影演算子理論 (SCPA) を拡張して,TB-LMTO-LDA+Uハミルトニアンから出発する第1原理SCPM理論の定式化を行った.さらに,具体的な問題で必要となってくる局所相関関数の計算を可能にする運動量依存局所変分理論を発展させた.有限温度では,動的CPA理論に長距離非局所効果を取り入れる非局所動的CPA理論の定式化を行った.さらに,高温近似で非局所効果を完全に取り入れる第1原理分子動力学理論を発展させた.動的効果を取り入れた第1原理非局所動的CPA理論(T>0)の構築は今後の課題である.
|