研究概要 |
パンサラッサ海域下でスーパープルームが認められ,地球規模での気候期転換があったとされる前期ペルム紀の環境変化・礁生物群集変遷を,パンサラッサの海洋島起源である秋吉帯石灰岩の堆積学的・古生物学的・地球化学的検討により明らかにした.造礁生物群集はこの時期に,温帯域を特徴づける石灰藻類 Palaeoaplysina を主体とする群集から,過渡期の微生物卓越群集を経て,熱帯域に多い石灰質海綿類主体の群集へと大きく変化した.また堆積シーケンスはこの時期に厚層化し,またシーケンス下部に干潟堆積物が厚く発達するようになった.これらの変化はスーパープルームによる地球規模の温暖化,長周期海水準変動における海水準の上昇,短周期海水準変動の低振幅化を示唆する。
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