研究概要 |
本課題では,光応答性分子を組み込んだ液晶高分子周期構造体を作製し,光駆動型ホログラムの創製を行った。光応答性液晶高分子の周期構造体に紫外・可視光を照射し,ナノ周期構造の可逆的な変形を誘起する新しい作動原理を用いることにより,ナノ光アクチュエーターや光スイッチを実現すると同時に,未知な点が多い高分子の微小変形現象を容易に解析する新手法を提供することを目的とした。架橋液晶高分子フィルムが屈曲するプロセスにおけるナノスケールの分子形状変化とマクロなフィルム変形挙動とのつながりを光学的に計測したところ,アゾベンゼンのシス体の生成量がわずか1mol%の低濃度であっても屈曲は起こりうる事がわかった。また同時にフィルムのヤング率が最大60%減少する事を明らかにした。フィルム表面に周期構造体をラベル化したフィルムを用いる事により,フィルム屈曲における表面歪みを計測する事に成功した。
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