配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2012年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2011年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2010年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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研究概要 |
当初は酵母tRNA^Tyr とtRNA^Tyr転写物をそれぞれ限定分解して得た5'-および3'-半分子を交換再結合した2種のキメラtRNA (T5N3, N5T3), および原材料の2種のtRNATyr, 計4種類のtRNATyrについてTm測定や酵素プローブ法を用いて立体構造の安定性と修飾塩基構成との相関について検討する予定であった。しかし,キメラtRNA の合成収率が低下したため,測定に十分なtRNA 標品を確保することに困難が生じた。そこで,最近当研究室で開発されたアンチコドンヌクレアーゼVap Cを利用してtRNAを5'-半分子と3'-半分子に分割する方法で同様の実験を行った。そのためtRNA は大腸菌のtRNA^Leuに変更した。調製した計4 種類のtRNA の熱融解曲線を測定することで,tRNA^Leu転写物<T5N3<N5T3<天然型tRNA^Leuの順で安定性を増すこと,したがって修飾ヌクレオチド,特に5'-半分子に含まれる修飾ヌクレオチドにはtRNAの構造を安定化する効果があることが分かった。しかし,Mg^2+非存在下では天然型の方が転写物よりも構造が不安定になるという予想外の結果が得られた。修飾塩基はおそらくMg^2+との相互作用次第でtRNAの高次構造の安定化にも不安定化にも寄与し得るという点で興味深い。
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