| 研究概要 |
水冷式のディーゼル機関においては,冷却水に接するシリンダライナ外壁がキャビテーションエロージョンによって損傷するライナーキャビテーションが問題となることがあり,その対策が求められている.ライナーキャビテーションはピストンスラップ(往復運動するピストンがシリンダライナに衝突する現象)によるシリンダライナの衝撃振動が,周囲の冷却水内に大きな圧力変動を引き起こし,これによってキャビテーションが発生することが原因であるが,これまでの研究では,シリンダライナの振動特性や周囲の冷却水室の形状や変動圧力の周波数特性などの影響については詳しい検討はなされていなかった.著者らはピストンスラップ解析の手法と境界要素法や有限要素法による音場解析の手法 を組み合わせて,ピストンスラップによって冷却水室内に発生する圧力変動を予測する研究を実施した.特に,密度の重い冷却水内の音場とエンジン構造壁面振動が互いに連成して振動特性が変化する現象を解明するために,モード解析法を用いた音場/構造連成振動解析法を提案するとともに,矩形形状容器を用いた試験装置を製作して空気媒質や水媒質による加振試験を行い,連成音圧応答解析法の妥当性や問題点を検討明らかにした.
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