研究概要 |
本研究はスマートグリッドの実現を目的として,配電系統の高品質化および安定化するためにマトリックスコンバータを用いた電力変換装置の利用を提案するもので,自然エネルギーを利用した分散電源システムの脈動電力の安定化と,需要家に高品質の電力を供給することを同時に可能とする手法である。本研究の成果としては以下のことが挙げられる。 1. 配電用三相4線式-単相3線式電力変換用マトリックスコンバータ(以降単相用MCと略す)の回路構成,及び電力変換のための制御法を提案した。 2. 当初提案した制御法は入力電流に逆相成分が重畳するため,波形整形の障害となっていた。そこで,単相用MCによる電力変換時に,電源電流に逆相成分を含まない電力変換方式を提案した。 3. 提案した制御法においてもなお,入力電流には三次高調波成分が含まれているため,この三次高調波電流を電源側へ流出させないように,単相用MCの複数台接続や入力側にパッシブフィルタを接続することで,高調波電流の低減を行った。 4. また,負荷変動や,電源電圧変動に起因する出力電圧の振幅及び位相の変動を抑制する制御法について検討を行い,シミュレーションにより効果を確認した。
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