配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2012年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2011年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2010年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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研究概要 |
本研究では小規模貯留施設を用いて洪水時における都市の急激な流出を低減させる方法の基礎になる手法・アルゴリズム・コンピュータシステムを開発した,特に,洪水時の都市流出低減の研究として,レーダーから得られる降水量誤差を考慮した降水情報と分布型 流出モデルを用いた流出計算を行う水文シミュレータを開発し,それによって確率的に流出予測を行うことができるシステムを開発し ,その入力値から最適化手法によって貯留施設制御を支援するシステムを開発した. まず ,X バンド偏波ドップラーレーダーを用いて降雨情報を測定し,それを入力値として移流モデルにもとづいた降雨予測を行った. その際に,予測誤差を考慮するために特異ベクトル法を用いた確率的降雨予測手法を開発した.さらにその予測降雨量を入力値として ,いくつかの河川流域で流出モデルを作成した.流出モデルのパラメータを一般化最尤不確定推定法によって決定する方法で,確率的流出予測手法を行うことができるようにした. また気象庁が提供するアンサンブル週間予報情報を用いて気象予測の確率分布を考慮して,貯留施設を用いて洪水制御する方法を構築した.具体的には確率動的計画法によって,基準地点の水位を目的関数として,それが小さくなるような貯留施設操作方法のアルゴリズムを定式化して,それをコンピュータプログラムとして実装した.アルゴリズムを大規模貯留施設に適用すると,事前放流により 下流水位を低減できることが示された.以上の研究によって,気象庁の週間アンサンブル予報とレーダーから得られる降雨情報にもとづく短時間降雨予測を用いた事前放流支援環境を開発することができた.
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