研究課題
基盤研究(C)
イネ害虫のツマグロヨコバイは吸汁する際に唾液を吐出している。本研究では唾液中に分子量84kDaのカルシウム結合タンパク質(NcSP84)が存在することを見出した。NcSP84は唾液腺の主腺で大量に産生され、吸汁時にイネの師管内部に注入されていることを確認した。その遺伝子をクローニングして配列解析をしたところ、複数のEF-ハンドモチーフをもつ新規のカルシウム結合タンパク質であることがわかった。虫から精製したNcSP84はカルシウムの混合量に応じて、SDS-PAGEにおいて多段的にシフトすることを確認した。NcSP84は損傷細胞から漏れたカルシウムを捕捉することで師管閉塞反応を抑制し、吸汁を達成していると推測された。本研究は師管吸汁性の昆虫の唾液からEF-ハンドモチーフをもつカルシウム結合タンパク質が見つかった初めての例である。
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Nephotettix cincticeps Insect Biochemistry and Molecular Biology
巻: 42(1) ページ: 1-9
Insect Biochemistry and Molecular Biology
巻: 42 ページ: 1-9