研究課題/領域番号 |
22590035
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤原 正子 東北大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (10466534)
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研究分担者 |
竹内 和久 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40260426)
戸恒 和人 東北福祉大学, 総合福祉学部, 教授 (10217515)
根本 直 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (70357739)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2011年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2010年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | NMR / メタボロミクス / 生活習慣病 / 慢性腎臓病 / 乳酸 / TCA回路 / 補酵素 |
研究概要 |
23年度研究成果: 「意義・重要性」生活習慣病や慢性腎臓病は近年急増し、複雑な病因を含んでいるため従来にない新規な病態の把握と解析が求められている。すでに我々はNMRメタボロミクス解析を用いて、透析治療後に患者血中の乳酸値が増加するという新規マーカーを見出した。これを基礎として透析患者の病態ひいては腎臓病病態の本質をとらえるための新規解析を行う。乳酸は糖代謝、エネルギー代謝に関連し生活習慣病、慢性腎臓病の病態と深く結び付くものである。 「内容」透析患者特有の合併症である痙攣の症状緩和を目的として水溶性ビタミンであるビオチンとチアミンを投与したところ、著効を見た。特にビオチンは効果が大きかったことから、透析性痙攣抑制剤として海外特許を出願した。ビオチン、チアミンはTCA回路の補酵素であり、エネルギー代謝の偏りを是正する役割が示唆される。これを解明するために、血漿中のビオチンをELISA法(アヴィジン拮抗反応)にて定量したところ、透析患者はビオチンが蓄積していることが判明した。特にビオチンの効きの良さで層別化して解析して見ると、ビオチンが効いた患者より効きの悪い患者が見かけのビオチン蓄積が多かった。腎機能の全廃した患者がビオチンだけでなくその代謝物も体内に蓄制させ、代謝物が活性のあるビオチンを抑制していることが示唆された。ELISAで測定したビオチンが残尿のある患者には少ない事も発見した。腎機能とビオチンの関係があることが示唆され、他の測定法で分子種同定と定量をすることでこれを解明したい。 また、透析中に投与した血圧低下薬としてのグルセオールを廃液の時間経過をNMRで観察が可能であることが判明した。NMR法を用いた患者血漿の糖、脂質分析を計画していたが、東日本震災の被害のため不可能であった。
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