研究課題/領域番号 |
22590045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 大阪薬科大学 |
研究代表者 |
佐藤 卓史 大阪薬科大学, 薬学部, 講師 (80257899)
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研究分担者 |
市川 隼人 日本大学, 生産工学部, 助教 (10351488)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2012年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2011年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2010年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 制がん剤 / 白金 / シスプラチン / アポトーシス / がん / 白金錯体 |
研究概要 |
ピラゾール及び水酸化物イオンを架橋配位子とする新規制がん性白金二核錯体AMPZの作用機序を解明することを目指した。当初、従来の制がん性白金錯体とは全く異なる構造、電荷および反応性を持つAMPZの標的がタンパク質である可能性も想定していた。そこで、まず、マレイミド型架橋試薬を用いてAMPZをメルカプトアルブミンに結合させたものを免疫原としてAMPZに対する抗体を作製し、この抗体を用いてAMPZの細胞内分布の検討を計画した。しかしながら、目的にかなうような抗体は得られなかった。そのため、細胞内白金量変化を指標として、AMPZの細胞内での挙動を追跡した。その結果、細胞内のタンパク質に結合した白金は速やかに細胞から消失するのに対して、核DNAに結合した白金の細胞からの消失は遅かった。また、AMPZによる細胞内タンパク質の変化をプロテオーム解析およびウエスタンブロット法により解析したところ、細胞増殖にかかわるタンパク質のリン酸化や細胞周期停止に関与するタンパク質の発現の増加が確認された。最後に、アポトーシス関連タンパク質の変化をウエスタンブロット法および酵素活性測定によって追跡したところ、AMPZによるアポトーシス誘導経路には、ミトコンドリアからのシトクロームCの遊離はほとんど見られず、カスペース12が関与していた。これらの結果から、AMPZは核DNA標的とし、細胞内のタンパク質の発現に変化を与え、その結果、小胞体レベルでのストレスを誘起してアポトーシスが誘導される可能性が極めて高いものと考えられた。このように、AMPZの標的分子は、シスプラチンをはじめとする白金錯体と同様にDNAであったが、細胞に与える影響やアポトーシス誘導経路は、それらとは全く異なることが明らかにされた。この結果は、従来とは異なる機序を持つ制がん性白金錯体の開発にひとつの指針を示すものと考えられる。
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