研究概要 |
幾つかの神経疾患,例えば,パーキンソン病,虚血性脳疾患では,酸化的ストレスが引き金となって脳神経細胞のアポトーシスが誘導されて発症する機構が提唱されている。培養グリア(ラットグリオーマ)細胞にグルタミン酸を添加することで細胞内グルタチオン(GSH)を枯渇させ細胞死を誘導する。C6ラットグリオーマ神経系細胞を用いた本研究の実験系では,グルタミン酸によって起こる酸化的ストレス誘導細胞死でプロテインキナーゼCの機能を分子レベルで調べそのサブタイプ種,さらにこの細胞死誘導に関与するタンパク性因子をディファレンシャル二次元電気泳動法により検討した。プロテインキナーゼCのサブタイプである分子量75,000のδが関与していた。数倍量に誘導発現されるGlucose regulated protein-78(GRP-78),Galectin-1,およびAnnexin A5が関与していることが明らかになった。
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