研究課題/領域番号 |
22590131
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
竹内 和久 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40260426)
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研究分担者 |
藤原 正子 東北大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (10466534)
戸恒 和人 東北福祉大学, 総合福祉学部, 教授 (10217515)
根本 直 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (70357739)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2011年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2010年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | メタボローム / フェノーム / NMR / 人工透析 / 廃液 / TCA回路 |
研究概要 |
23年度研究成果 「意義・重要性」慢性腎臓病や人工透析の患者は年々増加しているが、各人が複雑な原疾患と病態をもち、進行する病態の的確な把握・予測には従来の検査値と臨床所見による診断では不十分で未解決な部分が多い。われわれはNMRメタボロミクスを用いて、透析患者血漿と透析廃液の測定から治療中に乳酸値が増加することを見出した。本法を用いて新規なオーダーメード医療を構築できる可能性がある。 「内容」透析治療廃液を経時的NMR測定用いて、治療中の乳酸経時パターンは個々人によって再現性があることと、原疾患によって異なることを発見した。各人は各回の透析でバラツキはあるが、人と人の間のバラツキより小さく、個人の乳酸パターンは再現する事が判明した。まさにオーダーメード医療につながるものである。さらに代謝異常を持たない慢性腎症患者は透析治療中に乳酸の体内からの大きな産生を示し、一方糖尿病患者は治療中の乳酸産生は弱い。透析治療というストレスに対して乳酸を増やす反応の違いを反映している。糖尿病性腎症の患者は単なる慢性腎症の患者よりずっと予後が悪いことと関連が示唆される。乳酸に連動してピルビン酸や糖原性アミノ酸であるアラニンも増えており、嫌気的解糖系の最終産物としての乳酸という意味だけでない乳酸の意味あいが新しく提起する鍵となろうい。各々の疾患についてN=5-10であるので今後さらにN数を増やして再現性を見たいが、震災被害甚大であったため研究が大幅に遅れた。今のところこれらの結果は未公開である。メラス(ミトコンドリア異常症)のパターンは糖尿病患者と似ているが、乳酸絶対値は糖尿病患者より大きく、特殊な挙動を見せる。疾患依存的な乳酸とアミノ酸の挙動は患者の病態を示す新規な指標として提案できる前能性を持っている。
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