研究課題
基盤研究(C)
私たちは、脳のバソプレシン受容体拮抗薬(V1a・V1b受容体)がモルヒネの耐性や依存を抑制するという興味深い現象を見出し、一部報告しました。(1)神経障害痛モデル動物で、神経障害痛の発現に伴って、脊髄でCCL-1およびCCL-1の受容体であるCCR-8の発現が変化していることを明らかにしました。さらに、CCL-1中和抗体やミノサイクリンを髄腔内にあらかじめ投与すると、この神経障害痛が抑制されることを見出しました。(2)ヒトの痛みにより近いものとするために、「脳での痛みの経路」、帯状回(ACC)に注目しました。その結果、帯状回のムスカリンM1受容体が神経障害痛に関与していることを証明しました。(3)バソプレシンV1b受容体は、脳でオピオイド受容体と共存化し、モルヒネ耐性に関与するadenylatecyclase感受性を増強することを明らかにしました。さらに、V1b受容体は、細胞内ERK1を介してこのadenylatecyclase感受性を調節していることが証明されました。
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