研究課題/領域番号 |
22590377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含衛生動物学)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
井関 基弘 金沢大学, 医学系, 研究員 (20047179)
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研究分担者 |
所 正治 金沢大学, 医学系, 講師 (30338024)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2011年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2010年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 分子分類 / DNAバーコード / 腸管寄生原虫 / 系統解析 / 病原体検出 |
研究概要 |
最新のDNAバーコーディング構想を臨床検査に導入して、全ての腸管寄生原虫を特異的かつ網羅的に検出・同定するという新しい検査法の確立を目指し、ヒトに感染し得る6種のEntamoeba属(E.histolytica、E.dispar、E.coli、E.hartmanni、E.polecki、E.moshkovskii)を同定する新規PCR法を確立した。さらに、その有効性を確認すると同時に途上国におけるアメーバ属感染状況の解明を目的に、Entamoeba属の遺伝子型解析を実施した。具体的には、Entamoeba属を網羅的に検出するPCR(網羅的PCR)と種特異的PCRの組み合わせによるnestedおよびsemi-nested PCR法を用い、インドネシアにおいて採取した459検体の糞便サンプルに本法を適用し、糞便から直接抽出したDNAをテンプレートに、Entamoeba属の検出および種同定を実施した。網羅的PCRでは79検体(17.2%)が陽性を示し、その内、E.dispar 6検体(1.3%)、E.coli 62検体(13.1%)、E.hartmanni 38検体(7.6%)、E.polecki 2検体(0.4%)が種同定PCRにより同定された。また、22検体(4.8%)は混合感染だった。以上の結果から、まん延地域では複数の種による重複感染が日常的に起こっており、PCRを用いた検出と分子疫学的解析を実施するには、本法で使用したような各々の種を特異的に検出可能なプライマーが必要であり、有効であることが判明した。したがって、網羅的PCRと特異的PCRを組み合わせた分子系統樹におけるクラスターごとの検出は、DNAバーコーディングを原虫同定に適応していく上で現実的に可能なアプローチであり、今後、その適応範囲を広げていくことが比較的容易と考えられた。
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