研究課題/領域番号 |
22590415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
清谷 克寛 広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (00106824)
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研究分担者 |
坂口 剛正 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70196070)
入江 崇 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70419498)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2011年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2010年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ウイルス / 自然免疫 |
研究概要 |
本年度はセンダイウイルス(SeV)の2種類のアクセサリー蛋白質であるC及びV蛋白質について、その自然免疫抑制機構を主として培養細胞を用いて分子レベルで解明することを目標とした。 C蛋白質については、C蛋白質の株間で保存性の高い荷電アミノ酸クラスターに変異を導入した一連の組換えSeVを作製し、これに既報のC蛋白質欠損ウイルス[4C(-)]やC蛋白質にF170S変異を持つウイルスを加え、野生型ウイルスとの間で、1)ウイルス増殖、2)感染細胞で合成されるウイルスゲノムの極性、3)細胞変成、4)IFN-β誘導性、5)IFN刺激による抗ウイルス状態誘導に対する抑制作用、6)poly(I:C)刺激によるIRF3の活性化抑制、7)ウイルス感染細胞でのdsRNA産生、などについて網羅的に比較・検討した(Irie,2010)。その結果、よく知られているJAK/STAT経路の阻害によるIFN応答阻害作用以外に、C蛋白質がpoly(I:C)刺激によりIRF3の活性化に至る経路にも抑制的に作用することが明らかとなった。さらに、上記の抑制作用に関わらず、自然免疫系によるウイルス感染の感知を回避するためにC蛋白質が働いている可能性が示唆された。この違いを生む原因として、N蛋白質のC末端領域をエピトープとするモノクローナル抗体の反応性の違いから、ヌクレオカプシドの構造の違いを示唆する結果を得ているが、これについてさらに詳細な検討を行っている。 V蛋白質については、これまでウイルスRNAを認識するRNAセンサーであるMDA5と結合し自然免疫の誘導を抑制していることが報告されているが、これとは別に、より下流のIRF3とも相互作用し、その活性化を阻害することで自然免疫の誘導を抑制することを示した。
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