研究課題/領域番号 |
22590447
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
研究代表者 |
紅露 拓 独立行政法人医薬基盤研究所, その他部局等, 研究員 (90372424)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2012年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2011年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2010年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 自然抗体 / B-1細胞 / 経鼻ワクチン / インフルエンザ |
研究概要 |
1)鼻粘膜IgAの由来細胞の確認:B-2細胞による抗体産生にはヘルパーT細胞の存在が必須であるのに対して、B-1細胞の場合、T細胞非依存性にも抗体産生が起こることが知られている。そこでT細胞を欠損するヌードマウスに経鼻インフルエンザワクチンを投与したところ、抗体産生は全く起こらなかった。この実験結果は鼻粘膜IgA産生はB-2細胞が行ない、B-1細胞は補助的な役割を持つことを強く示唆するものである。 2)鼻粘膜IgAの交叉反応性の検出:経鼻インフルエンザワクチン投与後のマウス鼻腔洗浄液を限外ろ過法にて濃縮することにより、MDCK細胞を用いたウイルス中和試験で中和活性を検出することができた。しかしサンプル中の抗体量の制限から亜型ウイルスに対する交叉中和性の測定には至らなかったため、不活化ウイルスを抗原としたELISA法により、交叉結合能を測定した。その結果、血清IgGおよびIgAは交叉結合性を示さなかったのに対し、鼻腔洗浄液IgAは交叉結合能を示した。このことから気道粘膜IgAは血清IgAとは異なる抗原特異性を持つ、あるいは分泌型IgAの形を取ることにより交叉結合能を獲得する、などの機構により交叉防御能に関与している可能性が考えられる。 3)その他:Btkノックアウトマウスを用いてインフルエンザウイルス感染実験を行った。経鼻インフルエンザウイルスを事前投与し、防御能は感染2日後の鼻腔洗浄液中ウイルス量の測定により評価した。Btkノックアウトマウスは自然抗体を持たないにもかかわらず、ワクチン接種前の感染感受性は対照群と同程度であった。しかし、ワクチン投与により得られる感染防御能は対照群と比べ有意に低かった。交叉防御能については低いなりに観察された。このことからA.Btkノックアウトマウスは経鼻ワクチン投与時の鼻腔IgA産生は低いが産生される抗体の交叉反応性は野生型と同じである。B.Btkノックアウトマウスでは細胞性免疫により感染防御が維持されており、これが交叉防御能も備えている。の2つの可能性が考えられる.
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