研究課題/領域番号 |
22590581
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 東京大学 (2012) 山梨大学 (2010-2011) |
研究代表者 |
近藤 尚己 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20345705)
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研究分担者 |
山縣 然太朗 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10210337)
大西 康雄 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (40223896)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2012年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2011年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2010年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 高齢者 / ネットワーク分析 / ソーシャル・キャピタル / 心理社会要因 / 心理社会的要因 / 健康寿命 |
研究概要 |
地域のソーシャル・キャピタル、即ち人々の結束や信頼を高めるような社会的ネットワーク資源の醸成が、高齢者の健康維持に貢献することが期待されている。しかし、健康資源が人的ネットワークを介してどのように伝達し、個人の健康へと影響していくかについては明らかになっていない。本研究では、数理社会学の「ネットワーク分析」手法を用いて、高齢者のネットワークのダイナミズムと健康との関連を理解することを目的として、ネットワーク分析手法の公衆衛生領域への応用を試み、また、そのための課題整理を行った。初年度に山梨県A町の全高齢者を対象に健康状態、社会経済状況、心理社会状況、生活習慣、および社会的ネットワーク等に関する郵送質問紙調査を行った。2年目以降は、山梨県内で歴史的に継続実施されてきている無尽講(回転型貯蓄金融講)やその他の地域活動へ参加している人を対象に訪問調査を実施し、各無尽講のグループ内、およびグループ間の関係性に関する量的・質的データを構築した。このデータを日本老年学的評価研究データと個人リンケージして分析した結果、ソーシャル・キャピタルが、個人のメンタルヘルス(抑うつ傾向)に対して抑制的に関与し、ネットワーク内における情緒サポートの授受の関与が示唆された。また、無尽講への参加には二面性があり、楽しみながら高強度に参加している場合死亡リスクを下げるが、掛け金が高すぎるストレスフルなグループへの参加は逆効果となることが明らかになった。本研究により、地域組織を媒体としたネットワークデータが公衆衛生研究へと応用可能であることがわかった。また、大規模調査においてネットワークデータを取得する際の課題が整理できた。本研究は基盤研究A「高齢者における健康の社会的決定要因に関する大規模パネル調査(代表:近藤尚己)」へと引き継がれ、今後長期の縦断的な分析を進めていく。
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