研究課題
基盤研究(C)
我々が本邦から初めて報告し、その遺伝子を同定した常染色体劣性遺伝性脊髄小脳変性症の1つであるataxia ocular-apraxia 2 (AOA2) (MIM 608465)の原因遺伝子であるsenataxin(SETX)の機能を解明し、治療法開発へと発展させることを目的とした。まずsenataxinの抗体を作成し、その抗体でウエスタン・ブロッティングを行ったところ、senataxinの発現はHEK293T細胞で高度に発現しており、線維芽細胞では低いことが判明した。またマウス臓器を用いた解析では,senataxinは中枢に多く発現していることも明らかになり,senataxinの異常が神経変性疾患を起こす原因の1つではないかと考えている。Q1441Xの変異をもつ患者線維芽細胞では、全長のみならずtruncateされた蛋白も認められず、RT-PCRで増幅したPCR産物をアガロース電気泳動で解析したところ、異常なmRNAはナンセンス変異によるmRNA分解により早期に分解されていることを突き止めた。現在、この事をTaqManプローブによるリアルタイムPCRにて定量的に解析中であり、今後、ゲンタマイシンなどのリードスルー誘導薬が治療薬として有効なのかを検討していく予定でいる。一方、P2213Lの遺伝子変異をもつ患者線維芽細胞では、正常と同じレベルのsenataxinの蛋白発現が認められており、P2213L変異をもつsenataxinは、その機能に障害があり、A0A2の発症に至っている可能性が考えられる。
すべて 2010 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (7件)
J Neurosci Res
巻: 88 ページ: 3547-54
Brain Res
巻: 1361 ページ: 140-145
J Neurol Sci
巻: 296 ページ: 59-63
J Neurosci
巻: 30 ページ: 4857-4867
巻: (in press)
J Stroke Cerebrovasc Dis
Internal Med
130000413368