研究課題
基盤研究(C)
我々が 1987 年に発見した無セルロプラスミン血症の病態解析を進めることにより、セルロプラスミンの脳内での機能が明らかになった。セルロプラスミンは、主にアストロサイトで発現し、(1)細胞からの鉄の動員(細胞内から細胞外への排出)に関与する、(2)鉄酸化活性を有し2 価鉄を 3 価鉄にする(3)直接トランスフェリンに結合しない、(4)細胞膜の鉄トランスポーターであるフェロポルチンを安定化する、(5) GPI 結合型セルロプラスミンとして細胞外膜に結合して存在し、フェロポルチンを介して輸送された 2 価鉄を 3 価鉄に酸化してトランスフェリンに結合させる。脳内には血中の鉄イオンが血管上皮のフェロポルチンを介して細胞間隙に2 価鉄として取り込まれ、あるいはアストロサイト内の鉄がフェロポルチンを介して 2 価鉄として動員され、GPI 結合型セルロプラスミンによって酸化されて 3 価鉄になりトランスフェリンに取り込まれ、神経細胞に運ばれる。神経細胞からフェロポルチンを介して細胞外へ動員された鉄はβアミロイド前駆体蛋白質によって酸化され、再びトランスフェリンに結合してアストロサイトへ運ばれる。脳内の 1 日鉄必要量は血中から取り込む量では足りず、半閉鎖的な脳内鉄サイクルを形成することで鉄を再利用している。今回はこのような脳内の鉄再利用メカニズムの一端を明らかにした。
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