研究課題/領域番号 |
22590991
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
西 理宏 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90228148)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2012年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2011年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2010年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 糖尿病 / インスリン分泌 / グレリン / IA-2β / AMPK / UCP2 / 酸化ストレス / シグナル伝達 / AMPキナーゼ |
研究概要 |
グレリンは成長ホルモン分泌刺激、摂食亢進など多彩な作用を有するホルモンであるが、インスリン分泌を抑制することが判明している。我々はIA-2βがグレリンのインスリン分泌抑制機構に関与していることを報告し(Doi A. et al. PNAS 103:885,2006) 、以後グレリンによるインスリン分泌制御機構について研究を進めてきた。本研究課題においてIA-2β以外の経路としてAMPK-UCP2経路の関与につき検討し、グレリンはAMPK活性化を通じてUCP2発現を亢進させ、その結果インスリン分泌を抑制すること、また、IA-2βとAMPK-UCP2経路は互いに独立していることを明らかにした(FEBS Letters 584:1503-1508,2010)。さらに、AMPK-UCP2経路は酸化ストレスに対してはむしろ防御的に働くことが想定されるため、グレリンの膵β細胞の酸化ストレスに対する防御作用に関しても検討し、グレリンがMIN6細胞において過酸化水素による酸化ストレスに対し増殖能改善、アポトーシス抑制作用を有することを証明した。しかしながら、当初の予想とは異なり、これらの効果はAMPK-UCP2経路を介したものではなく、MAPKおよびPI3K両者が関与していることが判明した(投稿準備中)。本研究によりグレリンのインスリン分泌抑制の新たな機序が明らかになったのみならず、グレリンは膵β細胞の増殖に関してはよい影響を与える可能性が示唆され、グレリンの糖尿病に対する影響についてはこれら両者のバランスを考慮する必要があると考えられる。今後は両者の作用機構を明らかにし、インスリン分泌抑制なしに、β細胞増殖に関与する経路が明らかになれば、新たな糖尿病治療薬の開発につながるものと期待される。
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