研究課題
基盤研究(C)
抗精神病薬の引き起こすFynキナーゼ活性化の下流分子として新たに二つの分子を同定した。二つの分子のうち、一方については抗精神病薬投与によるリン酸化部位の同定も行った。また、統合失調症死後脳ではFynのタンパク質の発現が亢進していること、ドーパミン等の開口放出に関わるCADPS2のmRNA発現が亢進していることも見出した。さらに脳脊髄液を用いた解析ではFynの活性制御に関わるIL-6の増加、ドーパミンの代謝産物であるHVAの増加を見出した。以上のように、抗精神病薬のシグナル伝達に関わる分子群が新たに見出され、一部は統合失調症の分子病態に関わることが明らかとなった。治療標的になりうるか否かについては更に解析が必要である。
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