研究分担者 |
夏越 祥次 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70237577)
新地 洋之 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60284874)
上野 真一 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (40322317)
前村 公成 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (30398292)
又木 雄弘 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10444902)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2012年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2011年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2010年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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研究概要 |
本研究は,消化器癌のリンパ行性転移を促進するメカニズムの解明を目的としたものである. 近年,癌の転移に影響を与える因子としてEpithelial-mesenchymal transition (EMT)および腫瘍微小環境におけるマクロファージ(tumor-associated macrophage : TAM)の働きが注目されている. われわれは,膵癌症例においてZEB1およびZEB2の発現がEMTを引き起こし,更にリンパ節転移を促進することを明らかにした.一方,転移リンパ節においてはmesenchymal-epithelial transition (MET)が転移巣の増大を促進している可能性があることを示した. 次に,多様な性質を有するマクロファージのうち,免疫抑制方向に分化したM2-TAMが転移形成前にリンパ節に到達し,リンパ管新生を引き起こすことでリンパ節転移を促進している可能性があることを示した.更に,folate receptor β (FRβ)陽性マクロファージは血管新生を引き起こし,血行性転移を促進することを明らかにした.FRβ陽性マクロファージとリンパ行性転移との関連は今後の研究課題である. 上記研究により,腫瘍のEMTとMETはリンパ行性転移において非常に重要な役割を有することを明らかにした.また,主病巣の腫瘍微小環境のみならず,リンパ節の微小環境においてもTAMは重要な役割を有し,転移を促進することを明らかにした. 転移抑制治療開発に向けて,更に研究を続ける必要がある.
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