研究課題/領域番号 |
22591678
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永瀬 雄一 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40570015)
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研究分担者 |
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (50282661)
安井 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (30583108)
田中 健之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00583121)
角田 俊治 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60384830)
森井 次郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40570718)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2011年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2010年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 破骨細胞 / エピジェネティックス / 細胞分化 / 骨・軟骨代謝学 |
研究概要 |
未分化細胞において、ピストンH3の4番目のリジン(H3-K4)と27番目のリジン(H3-K27)の両方がトリメチル化修飾を受けている("bivalent mark")DNA領域の遺伝子には、細胞の分化に重要な働きを担っているものが多数含まれることが近年明らかにされた。これらの修飾のうちH3-K27が脱メチル化されることで当該遺伝子の発現が正に制御される。これが細胞を誤りなく特定の分化方向へ向かわせる制御を担っていると考えられている。 我々は、昨年度に行った網羅的解析ChIP-sequenceの結果をもとに、ヒストン修飾パターンの変化によって制御される破骨細胞分化メカニズムを見出すべく解析を進めてきた。破骨細胞分化の過程で、ヒストン修飾パターンがbivalentな状態からH3-K4のみトリメチル化されたmonovalentな状態に変化するような遺伝子を抽出したところ、その中にNuclear factor activated T cells (Nfatc1)が含まれていた。NFATc1は破骨細胞分化に必須の転写因子として知られている分子である。 検討を進めたところ、脱メチル化酵素活性を有するJumonji domain containing 3(Jmjd3)がNfatc1プロモータ領域におけるH3-K27の脱メチル化を担っているとの仮説に至った。さらなる解析の結果、破骨細胞前駆細胞が破骨細胞分化因子であるReceptor activator of nuclear factor-kappa B(RANKL)の刺激を受けるとNfatc1のプロモータ領域にJmjd3がリクルートされてH3-K27が脱メチル化され、その結果Nfatc1が発現し破骨細胞への分化が引き起こされる、という分化制御機構を我々は見出した。 破骨細胞分化制御機構の解明は、現在の医学の大きなトピックの一つである骨粗鬆症や転移性骨腫瘍の治療法の開発に直接つながりうる。この点で我々の研究成果は有意義であると考えられる。
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