研究課題/領域番号 |
22591864
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
杉山 徹 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40162903)
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研究分担者 |
黒瀬 顕 弘前大学, 医学研究科, 教授 (70244910)
熊谷 晴介 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20289474)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2012年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2011年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2010年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 癌 / 病理学 / 酵素 / 核酸 / DNA傷害 / 化学療法 / アポトーシス / γH2AX / フローサイトメトリー / 細胞周期 / 子宮癌 / 卵巣癌 |
研究概要 |
卵巣癌(明細胞腺癌)、子宮体癌、子宮頚癌治療における抗癌剤作用機序をDNA傷害、アポトーシス誘導、および細胞周期の変化を関連させて検討ができた.細胞周期と関連づけて DNA 傷害を検出することが可能となり, また抗悪性腫瘍薬によって引き起こされる DNA 傷害の存在を免疫組織化学的手法によって明瞭な個々のドットとして捉えることが可能であった. 卵巣癌ではcarboplatin (CBDCA) はcisplatin (CDDP) 耐性の明細胞腺癌株にも効力を発揮し、かつS期およびG2/M期細胞にDNA傷害を引き起こしapoptosisへ移行させるという結果が得られた。しかし、CDDPとCBDCAは細胞株間で感受性の違いがみられ,またpaclitaxel(PTX)も殺細胞効果より細胞周期停止効果が主体であり、日本人に多い卵巣明細胞腺癌に特化した解析ではTC療法に低感受性である可能性が示唆された.γH2AXの免疫組織学的検出はDNA傷害程度を判定量的に評価できる可能性が示唆された.子宮類内膜腺癌では key drugであるdoxorubicin は細胞株によりアポトーシスと senescence の両方, あるいはいずれかを誘導することが示された. CDDPを添加すると全細胞株で明らかなγH2AXの増加がみられ, γH2AX の増加を維持したまま細胞周期が進行し, 後にアポトーシスに陥っていくのが観察された. γH2AX のグラフは馬蹄形を呈しておりS期を中心としたγH2AX の上昇を示していた. 同一薬剤であっても作用する細胞周期の違い, アポトーシスや senescence 誘導の有無において細胞間で違いがみられ、患者間で差があることが示唆された。子宮頸癌放射線治療後γH2AXの免疫組織学的検出はDNA傷害程度を判定量的に評価できる可能性が示唆された.本手法は、抗がん薬の抗腫瘍効果をみる上で極めて有用と考えられた。
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