研究課題/領域番号 |
22591989
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
安部 正敏 群馬大学, 医学部, 講師 (80302462)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2012年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2011年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2010年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 創傷治癒 / 細胞生物学 / 筋線維芽細胞 / 増殖因子 / アポトーシス / Akt / 線維芽細胞 / b-FGF / MCP-1 / 細胞内シグナル伝達 / ケモカイン / ケロイド |
研究概要 |
本研究は、創傷治癒における線維芽細胞と筋線維芽細胞の挙動の相違を明らかにすることで、より効率的な創傷治療を開発するための基礎的研究である。本研究の最初の目的は基礎的エビデンスを得る目的で皮膚創傷治癒に有効と考えられる増殖因子について、それらが線維芽細胞および筋線維芽細胞に及ぼす影響を細胞内シグナル伝達系において検討し、両細胞間におけるシグナル伝達系の異同を明らかにすることであった。 そこでまず、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)が臨床的に、難治性皮膚潰瘍においては治癒を促進するのみではなく、創傷治癒の質的改善いわゆるscarlesswoundhealingをもたらすことが明らかとなった事実に着目した。その機序は長らく不明であったが、近年アポトーシスの関与が注目されるようになった。今回我々は、bFGFによるアポトーシス誘導について、線維芽細胞と筋線維芽細胞間で比較検討した。方法として、ヒト正常真皮由来線維芽細胞をtransforminggrowthfactor-β(TGFβ)存在下で培養することにより筋線維芽細胞を得た。得られた細胞を用い、b-FGFのアポトーシス誘導能を線維芽細胞と比較検討した。さらに、アポトーシス誘導に関与するシグナル伝達系について、それぞれの阻害剤を用いて検討した。その結果、b-FGFは線維芽細胞に比較し、筋線維芽細胞で高率にアポトーシス誘導した。この機序として、筋線維芽細胞においてはAktおよびphosphatidylinositol-3-Kinase(PI3K)の阻害薬前処置により、b-FGFのアポトーシス誘導が著しく抑制されたことから、PI3K→Aktのシグナル伝達系の関与の可能性が示唆された。ここまでの結論として、b-FGFは創傷治癒過程成熟期における筋線維芽細胞において、アポトーシス誘導を誘導することで、創傷治癒の質的変化をもたらす可能性が示唆された。
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