配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2012年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2011年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2010年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究概要 |
Severe sepsis/septic shockにおけるcytokine cascade活性化と病態との関係で,我々はこれまでに主に臨床研究に取り組み,平成20年度においては第23回日本Shock学会総会,第36回日本集中治療医学会学術集会にその成果を発表した.一方,近年severe sepsis/septic shockの病態生理におけるcytokine productionの制御系として自律神経系を介した抗炎症反応系(cholinergic anti-inflammatory pathway)の存在が提唱されるようになり,我々はinflammatory flexの評価法とその治療法を解明する事を目的に動物実験に基づいた本研究を開始した.オスSDラットを用い,cecal ligation puncture(CLP)モデルを作成したのち,末梢性副交感神経刺激薬のジスチグミンや,中枢性副交感神経刺激薬のトロピセトロンを投与し,それらを投与していないCLPモデル群とで,サイトカイン動態を検討した.その結果,CLPモデル群に比較し,CLP下でジスチグミンや,トロピセトロンを投与した群では,TNF-alpha,IL-6などの炎症性サイトカインの産生が有意に抑制された.これらの事から,自律神経系のうち副交感神経を刺激する事によって敗血症における炎症性サイトカインの過剰産生が制御されうる事が示唆された.本研究の成果は,Int Immunopharmacol 11;2073-8,2011,Cytokine 57;238-44,2012にそれざれ投稿し受理された.今後,交感神経系に作用する薬剤などを用いてこれらの自律神経系とcytokine production系について検討を重ねる方針である.
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